風の盆恋歌

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9月までにはと思っていた「風の盆恋歌」を読み終えました。

 この本こそが、先日訪れた越中八尾の風の盆を全国区にしたものです。9月1日から三日間が風の盆ですから、9月までにはと思ったわけです。
PICT8334.jpg
 主な舞台はその名の通り八尾の諏訪町なのですが、作者の高橋治さんは千葉の出身ながら旧制第四高等学校に学び、後に金沢で教鞭をとったことから、ご当地文学的な色彩が強く感じられます。

  大きく物語が展開していく道行きの場面は、文中で語られる文楽や西鶴の物語と重なります。八尾から天生峠(あの「ああ野麦峠の河合村から白川村に越える峠 です)、白川村から白山スーパー林道、白峰と移動します。そして、福井から越前海岸を通って杉津(すいつ)駅跡、そこで敦賀湾をながめ、旧北陸線の道路を通っ て今庄まで行きます。さらに北陸道を通って京都へ。

 天生峠は泉鏡花の高野聖の舞台として作中でも語られますが、道行きの主な場面となる今庄は鏡花の、あの夜叉ヶ池の舞台です。この作品ができる数年前に映画化されているので、あるいは作者の意識の中にあったのだろうと思います。
 天生峠で高野聖を惑わす孤屋の美女は、今庄でも旅の学生を惑わせる美女として登場します。

  どこも私がこの一年くらいで走ったところばかりですから、目に浮かべることができます。まさに、このあたり、つまり日本人にしか分からない題材を とっているかどうかが世界的に人気の高い村上春樹さんとの大きな違いかなと思います。もちろん、この相違のためにどちらかが上だと言ってるんじゃありませ ん。

やはり「風の盆」、行かなければ。

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